USBテスターを接続すると、画面に「V」「A」「W」などの数値が表示されます。
充電できていることは分かっても、それぞれの数値が何を表しているのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際に使用しているUSBテスター「FNIRSI FNB-C2」の画面を例に、基本的な表示の見方を解説します。

USBテスターで確認できること
USBテスターを充電器とスマートフォンの間に接続すると、実際に流れている電圧や電流、消費電力などを確認できます。
主な用途は次のとおりです。
- スマートフォンが何Wで充電されているか確認する
- 充電器やケーブルの性能を比較する
- 急速充電が始まっているか確認する
- ケーブルの劣化や接触不良を調べる
- 充電中の電力変化を観察する
ただし、USBテスターに表示されるのは、その瞬間に充電器から機器へ供給されている数値です。
充電器の最大性能や、バッテリーに実際に蓄えられた電力量と完全に同じではありません。
最初に見るのはV・A・Wの3項目

USBテスターを初めて使う場合は、まず次の3項目を確認すれば十分です。
- V:電圧
- A:電流
- W:電力
Vは電圧を表す
「V」はボルトと読み、電気を押し出す力を表します。
一般的なUSB充電では約5Vが基本ですが、USB PDなどの急速充電では、機器同士の通信によって9Vなど、より高い電圧が使用される場合があります。
USBテスターでは「VBUS」と表示されることもあります。
5V充電中に4.8Vや4.9Vと表示されても、ケーブルや接点などの影響で多少の差が出るため、直ちに故障とは限りません。
Aは電流を表す
「A」はアンペアと読み、流れている電気の量を表します。
USBテスターでは「IBUS」と表示されることもあります。
例えば、画面に1.79Aと表示されている場合、その時点で約1.79Aの電流が流れていることになります。
電流はスマートフォンのバッテリー残量や温度、充電中の操作などによって変化します。
充電器が2A以上に対応していても、常に最大の電流が流れるわけではありません。
Wは実際の電力を表す
「W」はワットと読み、その時点で供給されている電力を表します。
充電速度を確認するときに、最も分かりやすい数値です。
電力は、基本的に次の計算で求められます。
電圧(V)×電流(A)=電力(W)
例えば、5Vで2A流れている場合は次のようになります。
5V×2A=10W
実際のUSBテスターでは細かな変動があるため、5Vや10Wなどの切りのよい数値がそのまま表示されるとは限りません。
実測画面の数値を読んでみる
別の計測では、iPhoneの充電中に次の数値が表示されました。
- 電圧:約4.66V
- 電流:約1.79A
- 電力:約8.34W
計算すると、約4.66V×約1.79Aで約8.34Wとなります。
このように、VとAを掛けた数値がおおむねWの表示と一致していれば、表示の関係を理解しやすくなります。
ただし、このときのiPhoneはバッテリー残量が78%でした。20W充電器を使っていても、満充電に近づくにつれて充電電力が下がることがあります。
mAhとWhは何を表している?
USBテスターによっては「mAh」や「Wh」という項目も表示されます。
mAhは流れた電気量の目安
mAhは、計測を開始してからどれくらいの電気量が流れたかを確認するための数値です。
長時間計測すると数値が増えていきます。
ただし、USBテスターに表示されたmAhと、スマートフォンのバッテリー容量をそのまま比較することはできません。
充電時には電圧の変換や発熱などによる損失があり、供給された電気がすべてバッテリーに蓄えられるわけではないためです。
Whは使用されたエネルギー量
Whはワットアワーと読み、計測開始からどれくらいのエネルギーが供給されたかを表します。
瞬間的な充電速度を見る場合はW、一定時間に供給された総量を確認する場合はWhを見ると分かりやすくなります。
数値は充電中に変化する
USBテスターの表示は固定ではありません。
同じ充電器とケーブルを使用しても、次の条件によって数値が変化します。
- バッテリー残量
- スマートフォンの温度
- 画面の明るさ
- 充電中に動作しているアプリ
- ケーブルや端子の状態
- 端末側の充電制御
バッテリー残量が少ないときは比較的大きな電力が流れ、満充電に近づくと電力が下がるのが一般的です。
USBテスターを接続した直後の数値だけでなく、数分間の変化を確認することが大切です。
充電器やケーブルを比較する方法
充電器やケーブルの違いを確認する場合は、できるだけ条件をそろえて計測します。
- 同じスマートフォンを使用する
- バッテリー残量を同程度にする
- 同じ充電器でケーブルだけを交換する
- 画面を消して数分間計測する
- 安定したときのWを比較する
充電器とケーブルを同時に交換すると、どちらが数値に影響したのか分からなくなります。
比較するときは、一度に変更するものを1つにするのがポイントです。
USBテスターを見るときの注意点
最大出力が常に表示されるわけではない
20W充電器だからといって、USBテスターに常に20Wと表示されるわけではありません。
接続した端末が必要とする電力や、バッテリー残量に応じて出力は変化します。
表示値はバッテリーへの充電量そのものではない
USBテスターが測定するのは、充電器から端末へ供給されている電力です。
端末の動作にも電力が使用されるため、表示された電力がすべてバッテリーへ蓄えられるわけではありません。
接続する向きを確認する
USBテスターには入力側と出力側があります。
FNIRSI FNB-C2の場合は、本体に表示されている「IN」などの表記を確認して接続します。
測定範囲を超えて使用しない
使用するUSBテスターが対応している電圧や電流を確認し、対応範囲を超える機器には接続しないようにします。
破損したケーブルや異常に発熱している充電器を、そのまま計測し続けるのも危険です。
USBテスターは故障診断にも便利
USBテスターがあると、単に充電速度を見るだけでなく、充電トラブルの原因を絞り込むときにも役立ちます。
- ケーブルを動かすと電流が途切れる
- 別のケーブルでは電力が大きくなる
- 接続しても電流が流れない
- 充電開始後すぐに電力が極端に下がる
このような変化を確認することで、充電器、ケーブル、端末のどこに原因がありそうか判断しやすくなります。
まとめ
USBテスターを初めて使う場合は、まずV・A・Wの3項目を確認すれば十分です。
- Vは電圧
- Aは電流
- Wは実際に供給されている電力
基本となる計算は「V×A=W」です。
ただし、表示される数値はバッテリー残量や温度、ケーブル、端末の使用状況によって常に変化します。
一瞬の最大値だけで判断せず、同じ条件で数分間計測すると、充電器やケーブルの違いが分かりやすくなります。
今回使用したUSBテスターの本体レビューは、以下の記事で紹介しています。
FNIRSI FNB-C2を実機レビュー|USB-C充電を実測
実際に使用した20W充電器については、こちらの記事をご覧ください。

