20W対応のUSB-C充電器を使っているのに、USBテスターを見ると8Wや10W程度しか出ていない。
「充電器の故障では?」と思うかもしれませんが、必ずしも異常ではありません。
実際にUGREENの20W USB-C充電器でiPhoneを充電したところ、バッテリー残量78%の状態で約8.34Wと表示されました。

今回は、20W充電器でも常に20W出力にならない理由を、実測結果を交えて解説します。
20Wは常に出る電力ではなく最大出力
充電器に書かれている「20W」は、その充電器が対応できる最大出力です。
接続した瞬間から充電完了まで、ずっと20Wを出し続けるという意味ではありません。
USB PD対応機器では、スマートフォンなどの充電される側が必要な電力を判断し、充電器から受け取ります。
USB-IFのUSB Power Deliveryに関する説明でも、接続した機器が必要とする電力を受け取る仕組みが案内されています。
そのため、20W充電器につないでも、端末が8W程度しか必要としていなければ、USBテスターの表示も8W前後になります。
バッテリー残量が増えると充電電力は下がる
スマートフォンは、バッテリー残量が少ないときには比較的大きな電力で充電し、満充電に近づくにつれて電力を抑えます。
これはバッテリーへの負担や発熱を抑えるための正常な制御です。
Appleも、バッテリーが満充電に近づくにつれて充電電流が徐々に低下すると説明しています。
Apple公式:iPhoneのバッテリーを充電および節約する
今回の計測時はバッテリー残量が78%でした。そのため、20W充電器を使用していても約8.34Wだったと考えられます。
実測値は約8.34W
USBテスター「FNIRSI FNB-C2」で確認した数値は次のとおりです。
- 電圧:約4.66V
- 電流:約1.79A
- 電力:約8.34W
- iPhoneのバッテリー残量:78%
電力は、おおむね「電圧×電流」で計算できます。
4.66V×1.79A=約8.34Wとなるため、USBテスターの表示とも一致しています。
なお、この数値はその瞬間の実測値です。充電開始直後から終了まで、同じ数値が続くわけではありません。
使用したUSBテスターについては、以下の記事で詳しくレビューしています。
FNIRSI FNB-C2実機レビュー|USB-C充電を実測
充電速度が変わる主な原因
バッテリー残量
残量が少ないときは電力が大きくなりやすく、満充電に近づくにつれて低下しやすくなります。
端末の温度
端末が熱すぎたり冷たすぎたりすると、バッテリー保護のため充電が遅くなることがあります。
Appleも、温度などの条件によって高速充電が制限される場合があると案内しています。
ケーブルの性能
USB PDに対応していないケーブルや、劣化・断線しかけているケーブルでは、十分な電力が流れない場合があります。
充電中の操作
動画視聴やゲームなどを行うと、端末自身も電力を消費します。
充電器から電力が供給されていても、その一部を端末の動作に使うため、バッテリー残量の増え方が遅くなることがあります。
端末側の充電上限
充電器が高出力でも、端末が対応している電力以上では充電されません。
必要以上に大きな出力の充電器を使用しても、端末側が受け取る電力を調整します。
充電器の性能を確認するときの条件
充電器やケーブルを比較する場合は、次の条件をそろえると分かりやすくなります。
- バッテリー残量を20%前後まで減らす
- 端末を常温に戻す
- 画面を消して計測する
- 同じ端末とケーブルを使用する
- 接続直後だけでなく数分間確認する
一瞬だけ表示された最大値ではなく、安定した状態の数値を見るのがポイントです。
充電が遅いと感じたときの確認項目
- USB PD対応の充電器を使用しているか
- 適切なUSB-Cケーブルを使用しているか
- 端末が熱くなっていないか
- 充電口にホコリや異物が詰まっていないか
- 別のケーブルや充電器でも同じ症状が出るか
USBテスターで低い数値が出た場合も、最初から故障と決めつけず、条件を変えながら確認することが大切です。
まとめ
20W充電器を使っても、USBテスターが常に20Wを表示するわけではありません。
バッテリー残量、温度、ケーブル、端末側の制御などによって、必要な電力は常に変化します。
今回の約8.34Wという結果も、バッテリー残量78%で計測した数値としては不自然なものではありません。
充電器の性能を確認するときは、表示されたワット数だけで故障と判断せず、バッテリー残量や温度などの条件も一緒に確認してみましょう。
今回使用した20W充電器はこちらで実機レビューしています。

