GaN充電器とは?
スマートフォンやノートパソコンの充電器を探していると、「GaN充電器」という言葉を目にする機会が増えました。
AnkerやCIO、UGREENなど、多くのメーカーがGaN充電器を販売していますが、
- 「GaNって何?」
- 「普通の充電器と何が違うの?」
- 「本当に買う価値はある?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、GaN充電器は小型・軽量でありながら、高出力化しやすい充電器です。
iPhoneやiPadはもちろん、MacBookやWindowsノートパソコンまで、1台で充電できるモデルも販売されています。
この記事では、GaN充電器の仕組みやメリット・デメリット、用途に合った選び方を初心者にもわかりやすく解説します。
USB PDによる急速充電の仕組みから確認したい方は、
USB PD(Power Delivery)とは?
もあわせてご覧ください。
GaNとは?
GaNは、Gallium Nitride(窒化ガリウム)の略称です。
従来の充電器では主にシリコン半導体が使用されてきましたが、GaNは電力を効率よく制御しやすく、高出力な充電器を小型化しやすい素材です。
GaNを採用した充電器には、一般的に次のような特徴があります。
- 電力変換の効率を高めやすい
- 充電器を小型化しやすい
- 高出力化しやすい
- 発熱対策をしやすい
以前はノートパソコン用の65W充電器といえば、大きくて重い製品が一般的でした。
現在ではGaN技術の普及により、手のひらに収まるサイズでも65Wや100Wに対応する製品が増えています。
GaN充電器だから充電速度が速いわけではない
GaN充電器について、最初に理解しておきたいポイントがあります。
GaNを採用していること自体が、充電速度を決めるわけではありません。
実際の充電速度は、主に次の組み合わせで決まります。
- 充電器の最大出力
- USB PDやPPSなどの対応規格
- 使用するケーブルの性能
- スマートフォンやパソコンが受け取れる電力
GaNの大きなメリットは、高出力な充電器を小さく作りやすいことです。
GaN充電器のメリット
① 小型・軽量な製品が多い
GaN充電器の大きなメリットは、本体をコンパクトに設計しやすいことです。
同じ65W出力でも、従来型の充電器より小型な製品が多く、バッグやポーチへ入れてもかさばりにくくなります。
出張や旅行へ持ち運ぶ機会が多い方にも便利です。
② USB PDによる急速充電に対応した製品が多い
多くのGaN充電器は、USB Power Delivery(USB PD)に対応しています。
そのため、対応する機器とケーブルを使用すれば、
- iPhone
- iPad
- Androidスマートフォン
- モバイルバッテリー
- Nintendo Switch
などを効率よく充電できます。
iPhone用に20Wと30Wのどちらを選ぶか迷っている方は、
20W充電器と30W充電器の違い
も参考にしてください。
③ ノートパソコンにも使える
65W以上に対応したGaN充電器なら、MacBook AirやUSB PD対応のWindowsノートパソコンにも使える製品があります。
- MacBook Air
- 一部のMacBook Pro
- USB PD対応Windowsノートパソコン
- USB-C対応タブレット
スマートフォン用とパソコン用で充電器を分けずに済むため、荷物を減らせるのもメリットです。
ただし、ノートパソコンに必要な出力は機種によって異なります。購入前に、パソコン側の推奨出力を確認しましょう。
④ 複数台を同時充電できる製品が多い
USB-CやUSB-Aポートを複数搭載したモデルなら、1台の充電器で複数の機器を充電できます。
- iPhone
- iPad
- AirPods
- Apple Watch
- ノートパソコン
デスク周りを整理しやすく、コンセント不足の解消にも役立ちます。
ただし、複数ポートを同時に使用すると、各ポートへ割り当てられる出力が変わる製品があります。
Apple Watch用の充電器選びについては、
Apple Watch充電器おすすめランキング7選
で詳しく比較しています。
GaN充電器のデメリット
① 従来型の充電器より価格が高いことがある
GaN充電器は、小型化や高出力化に対応した設計のため、従来型の充電器より価格が高い場合があります。
ただし、現在は製品数が増え、比較的購入しやすい価格帯のモデルも多くなっています。
価格だけでなく、出力、ポート数、保証期間を含めて比較しましょう。
② 高出力時には本体が熱くなることがある
GaNは効率よく電力を制御しやすい素材ですが、発熱が完全になくなるわけではありません。
65Wや100Wなどの高出力で充電した場合や、複数台を同時に充電した場合は、本体が温かくなることがあります。
充電器が多少温かくなるだけなら、必ずしも故障とは限りません。
ただし、触れないほど熱い、焦げた臭いがする、変色しているなどの異常がある場合は、すぐに使用を中止してください。
布団やクッションの上など、熱がこもりやすい場所で使用するのも避けましょう。
③ 製品によって出力や機能が異なる
GaN充電器と書かれていても、製品ごとに次のような違いがあります。
- 最大出力
- ポート数
- USB PD対応
- PPS対応
- 複数ポート使用時の出力配分
- 安全機能
- 保証期間
GaNという言葉だけで選ばず、自分が充電したい機器に合った仕様か確認することが重要です。
GaN充電器と従来型充電器の違い
| 比較項目 | GaN充電器 | 従来型充電器 | 本体サイズ | 小型化しやすい | 高出力モデルは大きい場合がある | 重量 | 比較的軽い製品が多い | 製品による | 充電速度 | 出力・対応規格による | 出力・対応規格による | 発熱 | 効率よく設計しやすい | 製品による | 価格 | やや高い場合がある | 安価な製品も多い | 高出力モデル | 小型モデルが多い | 大きくなりやすい |
|---|
充電速度そのものはGaNかどうかではなく、出力やUSB PDへの対応状況で決まります。
GaN充電器がおすすめな人
次のような方には、GaN充電器がおすすめです。
- iPhoneを急速充電したい
- iPadやノートパソコンにも使いたい
- 小さくて持ち運びやすい充電器が欲しい
- 出張や旅行へ充電器を持っていくことが多い
- 複数の機器を1台で充電したい
- デスク周りをすっきりさせたい
特にスマートフォン、タブレット、ノートパソコンを使う方は、GaN充電器の利便性を実感しやすいでしょう。
GaN充電器をおすすめしない人
次のような方は、必ずしもGaN充電器を選ぶ必要はありません。
- 充電する機器はスマートフォン1台だけ
- 充電器を持ち運ばない
- 充電速度を重視していない
- とにかく価格を抑えたい
iPhoneのみを自宅で充電する場合は、一般的な20WのUSB PD対応充電器でも十分なケースがあります。
GaN充電器の選び方
出力(W数)で選ぶ
- 20W~30W:iPhoneやAirPodsを中心に充電する
- 35W~45W:iPhoneやiPadにも使いたい
- 65W:MacBook Airやノートパソコンにも使いたい
- 100W以上:高性能ノートパソコンや複数台を充電したい
迷った場合は、充電する機器の中で最も必要出力が大きい端末を基準に選びましょう。
ポート数で選ぶ
1ポートモデルは小型で持ち運びに向いています。
2~3ポートモデルなら、iPhoneとiPad、ノートパソコンとスマートフォンなどを同時に充電できます。
ただし、多ポート充電器は同時使用時に出力が分配されます。
例えば65W充電器でも、2台を同時充電すると「45W+20W」などに変わることがあります。
USB-CとUSB-Aの構成を確認する
現在主流なのはUSB-Cですが、古いケーブルやアクセサリーを使用する場合はUSB-Aポートも必要になることがあります。
端子の違いが分からない方は、
USB-CとUSB-Aの違いとは?
も参考にしてください。
安全機能とPSE表示を確認する
安心して使用するために、次のような点を確認しましょう。
- PSE表示
- 過電流保護
- 過電圧保護
- 温度管理機能
- ショート保護
- メーカー保証
Anker、CIO、UGREEN、Belkinなど、製品仕様や保証内容が明確なメーカーを選ぶのも一つの方法です。
おすすめのGaN充電器5選
ここでは、用途別に選びやすいGaN充電器を紹介します。
価格や仕様は変更される場合があるため、購入前にメーカー公式情報や販売ページで最新情報をご確認ください。
1.Anker Prime Charger(100W)
おすすめ度:★★★★★
高出力と複数ポートを備えた、ノートパソコンにも使いやすいモデルです。
こんな人におすすめ
- MacBook ProやWindowsノートパソコンを使用している
- 複数の機器を同時に充電したい
- 自宅やオフィス用の高出力充電器が欲しい
2.CIO NovaPort DUO 65W
おすすめ度:★★★★★
コンパクトさと出力のバランスに優れた、USB-Cの2ポートモデルです。
こんな人におすすめ
- iPhoneとiPadを同時に充電したい
- 持ち運びやすさを重視したい
- 日本メーカーの製品を選びたい
3.Anker Nano II 65W
おすすめ度:★★★★★
コンパクトながら65W出力に対応した定番モデルです。
MacBook AirとiPhoneで充電器を共用したい方にも向いています。
実際の使用感については、
Anker Nano II 65Wレビュー
で詳しく紹介しています。
4.UGREEN Nexode 65W
おすすめ度:★★★★☆
複数ポートを搭載したモデルが多く、価格と性能のバランスを重視したい方に向いています。
5.Belkin BoostCharge Pro 65W
おすすめ度:★★★★☆
Apple製品と一緒に使いやすく、シンプルなデザインとメーカー保証を重視したい方に向いています。
ほかの製品も比較したい方は、
おすすめGaN充電器ランキング10選
も参考にしてください。
修理店から見たGaN充電器の印象
修理店の立場から見ると、GaN充電器だからiPhoneやバッテリーが故障しやすくなるという印象はありません。
重要なのは、GaNかどうかよりも、使用する充電器やケーブルが端末に対応しているか、信頼できる製品かという点です。
極端に安価で仕様が分かりにくい充電器や、劣化したケーブルでは、充電が不安定になることがあります。
また、充電器本体が熱くなる場合は、布団の上や密閉された場所を避け、熱がこもらない環境で使用しましょう。
よくある質問
GaN充電器はiPhoneでも使えますか?
はい。USB PD対応のGaN充電器と、iPhoneに合ったケーブルを使用すれば充電できます。
- USB-C搭載iPhone:USB-C − USB-Cケーブル
- Lightning搭載iPhone:USB-C − Lightningケーブル
MacBookにも使えますか?
65W以上のGaN充電器であれば、多くのMacBook Airで使用できます。
MacBook Proは、機種や使い方によってより高い出力が必要になる場合があります。
GaN充電器は寿命が短いですか?
GaNを採用しているから寿命が短いとは限りません。
耐久性は、製品設計、使用環境、部品品質、メーカーの安全設計などによって異なります。
充電器が熱くなるのは故障ですか?
急速充電中は、充電器が多少温かくなることがあります。
ただし、触れないほど熱い、焦げた臭いがする、異音がする、端子が変色している場合は使用を中止してください。
まとめ
GaN充電器は、高出力な充電器を小型・軽量に設計しやすいことが大きな特徴です。
ポイントをまとめると、
- GaNは窒化ガリウムを使った半導体技術
- 高出力な充電器を小型化しやすい
- GaNだから充電速度が速いとは限らない
- 実際の速度は出力・規格・ケーブル・端末で決まる
- 複数ポート使用時は出力配分の確認が必要
- 高出力時には本体が温かくなることがある
- 用途に合った出力と安全機能を確認して選ぶ
iPhoneだけを充電するなら20W~30Wでも十分ですが、iPadやMacBookにも使いたい場合は65W以上のモデルが便利です。
自分が充電する機器、必要な出力、ポート数、持ち運びやすさを比較して選びましょう。
